コラム
成年後見・遺言コラム
任意後見契約は、なるべく早い機会に
任意後見契約は、一般的に、例えばご高齢になられて判断能力が低下してから締結されることが多いようです。しかし、家庭裁判所としては、そのような状態になってから、すべての財産について処分まで含めていっさいがっさいを委任することについて心配をしています。
なぜなら、そのような契約は、いわば「煮て食おうが焼いて食おうが自由」であることにもなりかねないからです。裁判所では、意思能力が完全にあるうちに、なるべく早い機会に自分のライフスタイル、ライフプランをしっかり立てて、それを実現するために必要となるものを適切に選び、任意後見人に委任する契約内容にすることを勧めています。
これは、家庭裁判所では、任意後見人や任意後見監督人が適任であるかどうかは審査できるのですが、任意後見契約の内容まで立ち入って審査することはできないからです。このような理由で、後日、紛争にならないように、注意深く契約内容を定めることが、何よりも重要です。
万が一、問題のあるような契約を締結してしまうと、実際に紛争になってから、地方裁判所に訴えを提起して、契約の有効無効について審理してもらうことになります。
当事務所では、このような家庭裁判所の懸念に十分に配慮した上で、成年後見センター・リーガルサポートの厳重な指導・監督を受けながら契約内容を吟味してご提案し、業務に当たりますので、どうかご安心いただきたいと存じます。